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我が青春の釣り場、神戸市 垂水一文字 ラスト釣行

私の地元であり、長らく通い続けた兵庫県神戸市垂水区にある「垂水一文字」が、2023年3月31日(金)をもって、市の条例により渡船業が「無期限休止」となりました。

全長およそ900m、明石海峡大橋が見渡せ、複雑な潮流とたくさんの漁礁が点在することで、チヌ、グレ、マダイ、スズキ、青物と様々な魚種が育まれ、人気の釣り場として賑わってきました。

学生時代に初めて渡船というものを利用したのが垂水一文字、確かガシラやメバルなどを探り釣りで狙いに渡ったのですが、その折釣果に恵まれてなかった私を見兼ねてか、そばでフカセ釣りをしているグレ釣師から声を掛けられ、その方の好意でグレを釣らしてもらうことになり、それがきっかけでチヌ・グレのフカセ釣りにのめりこみました。また、フカセ釣りのスタイルの延長で生きエサを使ったノマセ釣りやエビ撒き釣りを覚え、昨今ではマダイメインの遠投カゴ釣りに夢中になり、釣り仲間にも恵まれた所です。

なので今回は、無期限休止となる前に、3月26日(日)・28日(火)の2回にわたり、今までの感謝も含め、垂水一文字ラスト釣行に行ってきました。

26日(日)は、フカセ釣りにどっぷりハマることになったチヌ釣りです。

この日はあいにく冷たい雨に加え外気温も低かったことから、指はかじかみ、体を震わせながら、学生時代からの付き合いで垂水一文字へ通った友人と一緒に外向きのテトラ側で竿を出し、寒さに耐える一日となりました。仕掛は、0.8号の棒ウキにタナは4ヒロ、ハリは「遠投ハヤテ9号」にハリスは「ザイト・磯フロロ1.75号」を2ヒロに。

撒きエサは、8時~14時までの短時間の釣りとしていたので、オキアミ3㎏にチヌ専用配合材を2袋としました。

しばらくの間は足元から5m付近に仕掛を投入しチヌの反応を探りますが、エサだけが取られたり、時折ベラやフグが掛かり、このままではチヌの姿を拝めないと、今度は20m付近に仕掛を投入し遠投釣りを試みました。

足元付近を狙っていた時よりもエサ取りの活性は若干鈍いものの、それでもウキに明確なアタリはなくエサが取られるので、ハリとハリスサイズをワンランクサイズダウンさせ、サシエサもコーンとオキアミの抱き合わせとし、ウキ下は10cm~15cm間隔で上げたり下げたりと細かい調整を繰り返しながら狙い続けると、12時頃、右から左へゆっくりと流れていたウキが消えし込まれました。糸フケを巻き取り合わせると、一気に魚が走りだし、テトラ際へ突っ込んできます。切られまいと必死のやり取りを試みますが、敢え無くラインブレイク。気を取り直して再度同じコースを流していくと再び強烈なアタリがきますが、これもどうすることもできずに断念。友人も同じようなアタリを捉えますが取り込めず。

そのような負のスパイラルの中、先ほどまでとは若干引っ張りが弱いアタリがあり浮かしてくると、小型のコブダイが釣れてきました。本命のチヌでないにしろ、昨今人気ターゲットとなるコブダイが釣れ何よりでした。そして、納竿時間が近づきチヌが釣れないままこのまま終わってしまうのかと半ばあきらめかけていたその時、ゆっくりとウキが沈んでいきました。

ウキが視界から消し込むまで待ち、合わせると、竿先をコンコン叩くアタリが。納竿時間も間近だったのでこのチャンスは逃すまいと慎重に浮かしてきたのは、30cm半ばのチヌでした。納竿間際に、サイズは別として本命が釣れ、本当にうれしかったです。

帰港後は、船長と友人と一緒に記念写真を撮り、この日を終了としました。

28日(火)、本来26日(日)を最後としていたのですが、どうしても真鯛も釣りたいと思い、急遽単独で正真正銘のラスト釣行をしてきました。

真鯛を狙うには低水温で、まだシーズンが早いことは理解していたのですが、昨年からマイブームである遠投カゴで狙えばなんとかなるだろうと安易な気持ちで釣りをスタート。

竿は遠投カゴ専用2.5号に、ウキは「アポロ10号」とその浮力に見合ったカゴを天秤に取り付け、ハリは「遠投ハヤテX9号」にハリス4号を結びました。

遠投ハヤテXは、一本ケンを搭載しており遠投してもエサズレの心配が軽減され、私はこの釣りの場合、遠投ハヤテシリーズを好んで使っております。

エサは、神戸・大阪一帯ではポピュラーなシラサエビをマキエとサシエに使います。

カゴからまでのウキ下を4ヒロ、カゴから下のハリスを2ヒロとし、50mの距離に仕掛を投入した後、竿を上下にしゃくりカゴのマキエを放出させます。このような手順でしばらく様子を伺ってみます。ただし、いつもなら、激流が発生し潮がヨレ、潮が動いている時間帯と止まっている時間帯とメリハリがあるのですが、この日に関しては中潮後の小潮が3日間続く初日の潮回りで潮の動きが鈍く、思ったように仕掛が流れてくれません。

このような時は、エサ取りの活性が高く、サシエサが残らないことが多いです。

案の定、エサ取りだらけで毎投エサだけがなくなります。

近くで同じ釣りをしている方をなにげなく見るとフグを掛けていたので、エサ取りの犯人はフグのようです。

話かけてみると、私と同じようにエサは無くなり、たまに掛かってくるのはフグで厳しい状況とのことでした。どうやらこの方も垂水一文字に精通し、月末で営業が終わってしまうことを悔やんでいると言われ、また遠投カゴの独自の理論なども教えていただき、この場でないとこのような会話もできないかと思うと、改めて一文字の営業中止が残念で、それからは只々時間だけが過ぎていきました。

14時を過ぎたころ、終日ゆっくりだった潮から下潮が動きだし、それと同時にサシエサが残りだしました。15時が納竿だったため、最後のチャンスと判断し、マキエサをしっかり撒き、ウキ下を半ヒロほど深く調整、シラサエビの2匹刺しでアピール力を高め、狙いを定めました。すると、先日のチヌ釣りと同じく納竿間際で奇跡が起きました。流れていたウキが沈んだり浮いたりし、合わせるべきか判断しかねていた時、なんとウキが沈みきりました。その瞬間すかさず合わせを入れると、今日初めての竿曲がりです。バレないでくれと切に願いながらやり取りの末、30cm半ばのマダイが釣れてきました。この日も納竿間際で数少ないアタリを捉え、なんとか一尾モノにすることができ、ラスト垂水一文字釣行に花を添えることができ良かったです。これから先、私にとっては忘れられない一尾となるでしょう。

垂水一文字に限らず、ここ1年半程で、神戸界隈の沖一文字へ渡しをしていた渡船屋は全て休止(廃業)となり、身近で気軽に釣りが楽しめる場所が本当に少なくなっております。この雰囲気が他のエリアに影響しないことを切に願い、ゴミ問題、釣りのマナーなどに真摯に向き合いながら、いつまでも素晴らしい釣り場を残していきたい限りです。

 

最後にこのブログを読まれた方々へ、私一個人の長文にお付き合いいただきありがとうございます。本来ならばこのようなオフィシャルなところで個人の気持ちを表現するのは不適切かと思うのですが、どうしてもこの思いをお伝えしたかったため、綴らせていただいた次第です。ご了承ください。

そして、垂水一文字、今まで楽しい釣りを経験させてくれてありがとう。

スタッフ 萩田大輔

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