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サワラ&喰わない青物に効果絶大!ブレードジギングの基本

全国的に流行しているブレードジギング。今回はこのゲームについて、基本から少し応用まで踏み込んだ釣り方を紹介したいと思います。

■今回のフィッシングアドバイザー
オーナーばり/大東哲也さん
釣りと触れ合って40年以上。少年時代は大鯛を狙って父親と串本へ通った。社会人になってソルトルアーと出会い、オーナーばり入社後はジギングに没頭し、身近な近海から離島への遠征まで幅広く経験。現在も精力的にジギングを研究中で、主に関西のフィールドに通っている。仕事では、企画開発、広報活動を通じ、関西エリアのあらゆるジャンルに挑戦中!ジギング、鯛ラバ、テンヤ太刀魚等のプロデュース活動を担当。座右の銘はどんな時でも楽しむ!

■ブレードジギングの特徴
主なターゲットはサワラや青物、ときにシーバスやマダイ、根魚が食うこともあります。この釣り方の強みは、アクションがシンプルで簡単、初心者でも簡単に大型青物やサワラをキャッチする事が可能なのが最大の特徴。加えて、高速巻き&ブレードの効果でリアクションバイトに持ち込みやすく、ジグを見切りやすい魚にも対処できることです。
また、応用技も巻き速度を使い分けたり、リトリーブ中にスピードを変化させるぐらいで、細かい操作はいりません。
特筆すべきは、サワラの捕食行動の特性とマッチングが良いこと。高速で直線的なバイトが特徴のサワラは、ジグをフォールさせた時や、ジャークとジャークの間のジグが止まった瞬間に鋭い歯によりジグを切って行く事が多く、常に巻き続けるブレードジギングではこういった現象が起きにくいです。
さらに、アシストフックを使わずにジグのテールに直接フックを装着するので、フックが切られることはあまりありません。リーダーとフックの間に距離がとれるのでファイト中のリーダーカットも少なくなります。
とは言え、一番の面白さは魚のアタックを手元でダイレクトに感じられること。そして、長い距離を巻くなかで、どこで喰ってくるかわからないドキドキ感が味わえることです。

 

■サワラと青物
サワラは東北地方以内の全国に分布し、最大で1.2mほどになります。だいたい80㎝前後からサワラと呼ばれ、60㎝以下をサゴシ、その中間の大きさをヤナギやサゴラと呼んだりします。大型のものは高級魚で、その食味は魚の中でもトップクラスです。
魚としては獰猛なフィッシュイーターであり、遊泳速度が非常に速く直進的な泳ぎによる捕食が得意。一方で急旋回や急減速は苦手なようです。このため、サワラの捕食特性と、直線軌道で誘うブレードジギングは相性がピッタリです。
続いて青物。今回取り上げるのはブリ。日本全国に分布し、成長段階でハマチ、メジロなど呼び名が変わります。まあ、釣り人の皆さんはご存じでしょうから、ブレードジギングと関連する部分についてのみ書きます。
この魚は、ときに特定のベイトに偏食し、ジグのシルエットや波動にうるさいときがあります。イワシの稚魚など小さくて遊泳力の弱いベイトを偏食しているときは、シルエットも波動も細かいジグを好みます。また、スレてくると派手なアクションを嫌ったり、ジグを見切ってしまいます。
そんな青物ですが、高速リトリーブされるブレードジグは見切りにくいようで、かつブレードが放つ小刻みな波動とスピードで捕食本能を刺激されたり、マイクロベイトと認識して口を使いやすいです。

 

■タックルについて


・ロッド
ブレードジギング専用ロッド
青物用ジギングロッド(パワークラス2番程度)
SLJロッドなど
     
・リール
ジギング用中型スピニングリール
※ダイワ製3000~4000番/シマノ製4000~6000番
・メインライン
PE1.2~1.5号(フィールドの水深により150~200m)
・リーダー
フロロカーボン6~8号(25~30lb)を6m

■ジグ
・40~60gのショートタイプ
投次郎4050gなど
・60~100g(潮が速いときや強風時)
撃投ジグレイドバック65100gなど

■フック
・ブレード付きフック(シングルからトリプルまでを使い分ける)
仕様やサイズは、以下を参照。
ブレードスピンシングル #15 シルバー/ゴールド
ブレードスピンダブル #2 シルバー/ゴールド
スティンガートリプルエクストラSTX-58 #3~4
マスクドスピン インディアナブレードタイプ S~L シルバー/ゴールド/グローゼブラ
※マスクドスピンはトリプルフックに装着します。

 

■小物類
・ジグ用サルカン
サイズは以下を参照。
ゲームスイベルBB #2~4
ハイパースピン #2~4
※ジグが回転してラインがヨレやすいので溶接リングを使った接続は避ける。
・スプリットリング
スプリットリングハイパーワイヤー #4~5

 

■タックル以外に必要なもの
・ライフジャケット
・デッキブーツや踵つきのサンダル
・クーラーボックス35L以上(長いタイプ)
・飲食物用小型クーラー
・帽子(ジグやフックから頭部を保護するため)
・サングラス(ジグやフックから目を保護するため)
・ジグ交換用プライヤー
・先の長いプライヤー(ハリはずし用)
・ラインブレーカー(根掛り対策)
・タオル
・活け〆ナイフ

 

■釣り方…基本編
ここでは、主に遊漁船の場合を例に紹介します。
まず、船長のアナウンスに従ってアンダーキャストでなるべく遠投し、基本的にボトムまで沈めます。
投げる際に気を付けたいのがオマツリのリスク。潮や船の流れる速度が速いときはジグやラインが流されるので、流される上手側を狙い、ラインを抑えながら糸ふけがたくさん出ないようコントロールします。
着底したら基本は全速でリールを巻いて誘います。反応が底付近に出ていても、表層まで巻き続けるのが原則です。サワラや青物は長い距離を追いますし、追っている途中でスイッチが入って喰うこともザラなので、長く引くほどチャンスも増えると考えましょう。
ヒットパターンの見つけ方は、超高速から中速(ルアーやジグを回収するときぐらいの速度)までの巻き速度を、1トレースごとに等速巻きで試していきます。ロッドによるアクションは基本的に入れません。

■釣り方 応用編
基本は底まで沈めてから巻きますが、ボイルしているなど明らかに魚が表層付近にいるときや、中層に反応がでている時などはカウントダウンして任意の水深まで沈めます。レンジ探索はカウントする秒数を増やして探り下げていきます。
また、等速巻きで喰わないときは、リトリーブ中に速度を変化させたり、断続的に巻くのを一瞬止めるストップ&ゴーを加えると有効なときがあります。
とは言え、基本は「早く巻く誘い」に専念するほうが確実です。

■ジグやカラーの選択
明石海況周辺や大阪湾などでは、40~60g程度のジグがよく使われます。潮が速かったり、風が強いときは60~100gを使用する場合もあります。使用するジグの重さはフィールドによって異なるので、事前に船長に確認してください。
ちなみに、食いが渋いときはジグのシルエットを小さくして対処していくのが基本です。底取りに支障が出ないギリギリまで小さくすることも想定してください。
なお、ジグの形状はショートタイプが基本ですが、ベイトサイズによって大きなシルエットに反応が良いケースもあるので細長いタイプも持参しましょう。
カラーはシルバー(ナチュラル)系を基本に、曇天時や濁りが強いときはゴールドやグロー系(ゼブラ)、チャートバックなどが魚からの視認性が良く有効です。ほか、赤金やスモーク系などシルエットがはっきり出るものもおすすめです。これらを状況に応じてローテーションします。

■ブレードとフック
引き抵抗が小さく、高速巻きに適したインディアナタイプのブレードを用います。サイズは、ジグの大きさに合わせて選択しますが、食いが渋い時などはジグとともに小さくします。

フックは3タイプを以下の基準で使い分けます。
・シングル
1本が大きいので、深くしっかり掛かりやすく強度もあること、根掛りしにくいことが強みです。このため、大型を狙うときや根掛りが多い場所での使用に適します。
・ダブル
最もバランスが良いタイプ。シングルよりも掛かりやすく、トリプルより強度とバラシ低減の面で優れています。
・トリプル
バイトはあるけど掛からないなど、フッキング率を上げたいときに使います。強度やバレやすさの点で不利ですが、丈夫でバレにくい形状のものを使えば弱点を幾分カバーできます。スティンガートリプルエクストラSTX-58など青物に対応した強いフックが好適です。
なお、フックのサイズはジグの大きさに合わせ、ジグのボディー幅よりフックのフトコロの幅が大きいものを選びます。小さいとフッキングが悪化します。

 

■バイトとフッキング
魚が高活性なときは、バイトがゴゴンと明確に伝わります。この段階ではフックアップしていないので巻き続けます。ロッドに魚の重みが乗ったらそのまま鋭く巻いて巻きアワセするか、ロッドのバットを引き寄せるようにグィッと短く追いアワセを入れます。反射的に大アワセするのは厳禁です。なお、活性が低い時などは、じわ~っと重くなるようなアタリが出ることがあります。このようなときは、そのまま巻き続けるか、少し速度を落として喰わせの間を与えます。いずれにせよしっかり重みが乗るまでアワセないのが鉄則です。

■ファイトについて
強引なファイトはいけません。魚のペースに合わせ、走ったら無理には止めず、走りが止んだら素早く寄せる動作を繰り返し、テンションが緩まないよう注意しながらファイトします。このゲームでは、高速巻きの最中に魚が喰いつくため、口先にフックが掛かるケースも多く、バイトした瞬間にハリ先が振れた場所にフックが刺さってしまいやすく掛かりどころが選べない…。このため、無理なファイトをすると口切れや身切れを起こしやすいからです。
また、使用するジグのサイズの関係上、フックが比較的小さいので、口ぎわに掛かりやすいのもバレやすい理由です。
このため、ドラグも少し緩めに設定します。何㎏という画一的な基準はありませんが、感覚的にはアワセたときに「ジッ」とラインが出るくらいにします。

■魚のキープ方法
まず血抜きをします。活け〆ナイフでエラを切り、海水が入ったバケツなどに魚の頭を突っ込み、血が出切るまで数分待ちます。血を抜いたら神経〆をするとベスト。
なお、魚の保存ですが、サワラに関しては魚体を直接氷に当てると身割れしやすいので、氷を入れた海水で冷やすか、布を巻くなどしてください。

■シーズンとおいしい食べ方
サワラ、青物ともに5~12月がシーズン。一番よく釣れるのは秋から冬ですが、若狭湾などでは早春にサワラが爆釣したりします。
また、一般的にサワラの旬は春という認識がありますが、晩秋から冬にかけても旬と断言できます。水温が下がるなか、ベイトをたらふく食べて脂が乗った寒鰆は、悶絶するほどのおいしさです。
ちなみに、一番おいしい食べ方は皮を炙った刺身ですが、定番の西京焼きのほか、ホイル焼きなど火を通す料理も最高です。サゴシと呼ばれる小型のものは「きずし」など酢で締めて食べるとおいしいですよ。

さて、ブレードジギングの要点を押さえたら、あとはターゲットを釣るだけ。ジギングをしたことがない人もマスターしやすいので、友人も誘ってぜひチャレンジしてください。

2025年12月
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